糸口を結び目にする

『はなれおもや』が終わってから早くも1ヶ月以上の時間が流れました。未曾有の大震災のあと、日本で生きる事の意味が大きく変わっていく中、僕たちアーティストもアートの意味、アーティストの意味を必死で考えています。変わってしまう事と変えなければいけない事がめまぐるしく立ち現れては流れていきますが、僕たちは、はなれおもやの短い時間に見つけた小さな糸口を、今日とこれからに結びつけていかなければいけません。

桐生で織物を制作していらっしゃる板野さんの工房を訪ねました。板野さんとは、はなれおもやの期間中に出会いました。カジュアルな雰囲気でお教室をやっていっらっしゃる工房をお借りして、海老も織り体験。頂いたアドバイスと独自のアイデアを文字通り絡めあいながら、体験的にシルクのざっくり編みストールを制作しました。

初めて見た織りは、鶴の恩返しの物語にでききたと思います。誰でも簡単に扱えるように設計された織り機を使っている海老さんを見ていると、鶴に見えてきます。
そういえば、はなれおもやの坂木邸のおばあちゃんヨネさんのお友達はツルさんでした。

さて、こんな感じで仕上がりました。今回は体験と言う事で、染められていない白い絹の糸で織らせて頂きました。今後これをどこかで染めるかもしれません。

ちなみに次回はふんどしを織りたいそうです。


<なかじま>